「ゆ~う! 今日こそは帰りゲーセン行こうぜ!」

 昼休みに、高志がそう言って後ろから抱きついてきた。


 高志の場合は友達ということもあってか、抱きつくぐらいなら黒斗は助けたりはしない。

 でも突然抱きつかれる身としては、注意くらいして欲しかったなと思わずにはいられない。


「うわっと! いきなり抱きつくのはカンベンしてくれよ。びっくりするだろ?」

「へへ……悪ぃ! で? どうなんだよ?」

「んーいいよ。今日は特に予定はないし。それに前は断っちゃったしな」

 あたしがOKすると、高志は「やっりぃー!」と笑顔ではしゃいだ。


「黒斗もそれでいいかな?」

「ああ、いいぜ」

「おいおい黒斗、お前デートまで邪魔すんなよなー」

 あたしと黒斗の会話を聞いて、高志が冗談交じりに言ってきた。


 でも高志があたしのことを好きだってのを考えると、何処までが冗談かは分からない。


「だってほら、俺、友のナイトだし?」

 高志の気持ちを知っていながらも、黒斗はおどけてそう言った。


 まあ、黒斗は知らないことになってるんだからそれでいいんだろうけど……。



「お? 何だよ、お前らどっか行くのか? 俺も一緒に行っていいか?」

 そう言ってきたのは弘樹だ。