聖石学園～意地悪で腹黒のナイト様～

「お前達もいてくれ。じゃないと俺、どんなヘマするかわかんねぇ……」

　ぼそぼそとそう言った弘樹の顔はちょっと青かった。


「わ、分かった……」

　そう言って黒斗が座る。


　その後、あたし達の席では弘樹が話し出すまで微妙な雰囲気が漂っていた。



「お……俺！」

　そう言い始めたのは、十分ほどたってからだった。

「この間貴方を見かけて、ひっ一目惚れ、してしまったんです。いきなりこんな事言われても戸惑うかも知れないんですけど……良かったら俺とつつつつ付き合ってください！」


　やっとの事で言い切った弘樹に、和さんは悲しげに微笑んだ。

「ありがとう……でも、ごめんなさい……」

　和さんがそう告げると、弘樹は脱力したようにイスの背もたれにもたれる。


「僕も、好きな人が、いるんだ……。一目惚れで……片思いの人……」

　そう言った和さんは、とても幸せそうな顔をしていた。
　好きで好きで仕方が無いって感じが伝わってきた。


「だから、君がどんな気持ちで……告白してくれたのか、分かる……。君に応えてあげることは……出来ないけど……、でも、有り難う……」

　そして和さんはさっきあたしに見せたような微笑みを弘樹に向けた。