聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

「おい弘樹、ちょっと落ち着けって」

 黒斗が笑って弘樹の肩を叩いた。

「そ、そうだな」

 そう言って弘樹は一度ゆっくりと深呼吸する。


 その深呼吸が終わるのを見計らって、和さんが本題に入った。


「それで……? 僕に話があるって、聞いたけど……何、かな?」

 和さんはあたしからは何も聞いていないって態度を取った。


 良かった。

 そうだよね、告白はやっぱり自分からしなきゃ意味無いもん。


 あたしは言わなくてもそういう態度を取ってくれた和さんに、密かに感謝した。


「は、はい! そ、その……」

 もじもじとなかなか言い出せないでいる弘樹。

 そんな弘樹に黒斗が提案した。


「なあ、俺と友、席外した方がいいんじゃねぇ?」

「あ、そっか」


 黒斗の言葉に確かにと思う。

 告白の場所に第三者がいるってのも何だか変だ。


「じゃあ俺たちちょっと席をはずして――」

「待ってくれ!」

 黒斗が立ち上がろうとすると、弘樹が黒斗の制服の袖を掴んで引きとめた。


「…………弘樹?」