美男美女でお似合いの二人。
絵になる風景。



ねえ朔夜、その人は誰?


今一番言いたいセリフ。

そして、今一番言いたくないセリフ。


何故なら、そのセリフに乗せようとしている感情に気付きたくなかったから。


小さく芽吹いたこの感情は、まるで小さな竜巻のように私の心をかき乱そうとしている。

私は突っ立ったまま、それを抑えようとしていたけれど……。




視線の先の朔夜が、美女の頬に指先で触れた。

顔の線を伝って、顎を持ち上げる。

その親指が、唇をなぞった。