「……でも、無理そうよね……」


眉間に軽くしわを寄せ、蔑(さげす)む様に見下ろしてくる朔夜の顔が浮かぶ。

その顔で、きっと「何故俺がそんなことしなきゃならないんだ?」とか言いそう。



朔夜とは会ってまだ数日しか経っていないけれど、あの俺様で唯我独尊気味の性格は結構分かりやすい。


分かりたくは無いけれど、分かりやすい。



朔夜がどんな反応をするか想像してしまうと、段々話したくなくなってきた。

佐久間さんには悪いけれど、朔夜に内緒で一人で調査を初めてしまおうかと思ってしまう。


「って、そういうわけにもいかないか……」

仮にも本部部長の指示だ。
逆らう訳にはいかない。