「朔夜を捕らえて、私にその血を与えるように言っても彼はその血をくれない!」
振り下ろされた右手を受け流す。
「彼が直接注入してくれないと意味は無いと言うのに!!」
足をなぎ払うように振られた蹴りを飛んでかわす。
「私には純血の血を受けられる資質があるわ! なのに……なのに何故! 何故私がダメで、お前のような小娘は良いと言うの!?」
爪を立てた両手が振り下ろされ、私はその手首を掴んで止めた。
「…………色々と説明ありがとう。つまり貴方は、純血の血を受けて力を得るために朔夜を監禁していたの?」
私は、何の感情も映さない目で確認した。