私は裾の長いドレスを邪魔に思いながらも、クレハが言った部屋へと走った。



朔夜!

朔夜ぁ!!

やっと、やっと会える!!


逸(はや)る気持ちに足がもつれる。

それがもどかしくても、早く朔夜の下に辿りつきたいという思いは止められない。


私はドレスの裾を引き上げて持ち、とにかく前に進んだ。