もといた協会支部から、二駅ほど電車に揺られて隣街に着く。

駅から十分ほど歩いたところに私が住んでいるアパートがある。


築5年のアパートは結構キレイで、部屋は狭いけれど人一人住むには十分だった。





中2のとき両親を亡くした私は、その後伯父夫婦に預けられ、一年ダブって高1の秋まで世話になった。

高1の、季節が秋から冬にかわる頃、私はこの世界に入るために家出し、高校を中退した。


伯父夫婦にはかなり心配をかけたが、今では一年に一度、正月には帰っているので幾分安心しているはずだ。


あくまでも“幾分”だけどね……。