気絶した違反吸血鬼を運ぶのは大変で、協会に引き渡した頃にはもう朝方になっていた。

コンビニでパンを買って、それを朝食代わりにする。


「本当に、アイツ何者だったんだろう」


私はパンをかじりながら数時間前の出来事を思い出していた。



あまりにも非現実的で、夢だったんじゃないかとも思う。


でも……キスの感触はまだ覚えてる……。

唇に指を当てたら、あのときのキスがリアルに思い出されて恥ずかしくなった。