「そうだ」
と囁いた朔夜は少し寂しそうに目を細め、私の頬に触れた。
「月の女神かと思うほど、美しかった……。美しすぎて、かぐや姫のように月へと行って帰ってこなくなるんじゃないかと思った……」
そうして、朔夜は私を抱きしめる。
「そう思ったら、確かめずにはいられなかった。お前が俺のものであるということを……」
「朔夜……」
「何度抱いても、月の光を浴びたお前は美しすぎて……。いなくなってしまいそうで、怖かったんだ……」
すまなかった……と、かすれた声が聞こえた。
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