確か、物凄く美しくなった朔夜にキスされて……。


そこから記憶はない。



「もしかして私……あのまま気絶した?」

「そうだ」


すぐ近くから不機嫌な声が聞こえた。

返事が返って来るとは思わなかったから、ちょっと驚く。


見ると、すぐ隣に朔夜が横になっていた。

「……おはよう」

と、また不機嫌な声が言う。


「お、おはよう……って、え? もしかして朝!?」

叫び窓を見ると、閉められたカーテンの隙間から光が零れている。


そういえば、朔夜もあの尋常じゃない美しさがない。


朝になって、普段の状態に戻ったってこと?