「……」 私は今決断を迫られている。 ううん。 本当はすでに決まっていることだから、後は実行するだけでいい。 でも、実行に移るのがとても躊躇われた……。 「何してるんだ? 早くしろ」 隣に座っている朔夜が急かしてくる。 「うん、分かってる。分かってるけど……」 私はそう言って生唾を飲み込んだ。 改めて、目の前にあるそれを見る。