「静かだな。獲物を取ったと不満を言われるかと思ってたが……」

そう言われて、それもそうだと思った。


十六夜は協会に引き渡そうと思っていた。

生きて、相応の罰を受けて欲しいと。


前ほど十六夜を憎んでいない今では尚更そう思えた。

そう思えたら、朔夜の言う通り不満が募って来る。



「やっぱり、不満か? だが、俺は奴を殺したかったんだ。お前の手をわざわざ汚させる気も無かった」

ムスッとした私に、朔夜は顔を近付けてくる。


「わがまま……」

唇が触れる前に、そう言ってやった。


「そうだ、俺はわがままだからな……だから、お前の全てが欲しいと言ってるんだ」

そして、唇が触れ合う。

私は自然と目蓋を閉じ、朔夜に身を任せた。