「……」

私はゆっくり上半身を起こし、小さくため息を吐いた。


すると、丁度その時朔夜がベッドルームに入って来る。


「朔夜……」

「ああ、起きたか」

そう言って近付いて来た朔夜に、私は静かに聞いた。


「十六夜は?」


すると、朔夜は眉を寄せて私をベッドに押し倒す。



「もうこの世にいない奴の存在など忘れろ」

その言葉で、十六夜が死んだと言うことがはっきりした。


やっぱり、死んだんだ……。


予測は出来ていたから衝撃は無い。

ただ、もう生きてはいないんだと実感しただけ。