首筋を舐められ、ゾクゾクと身体が震える。

そして2つの突起があてがわれた瞬間、私は朔夜の肩を押し拒(こば)んだ。

「イヤっ!」


血を吸われるところだった。


そうだ、私の心と身体をモノにしたら血を全部吸って殺すと言っていたじゃない。



朔夜になら殺されても良いと思った。

それでも死への恐怖はある。


それに、私はまだ肝心なことを成していない。



私は、拒まれて眉を顰(ひそ)める朔夜に告げた。


「朔夜……お願いがあるの」

私の真剣な眼差しを朔夜は無言で受け止めてくれる。