マンションに戻ると、私はとりあえず顔を洗おうと洗面台のあるバスルームに向かった。

とにかくさっぱりしたかったから。


そうしたら、何故か朔夜もついてきた。


「朔夜も顔洗うの?」

「顔? 洗うのは体じゃないのか?」


朔夜の言いたいことがよく分からなくて、私は聞き返そうとする。

でも、それは言葉として出ることはなかった。



いきなり横抱き……つまりお姫様抱っこされたのだ。


「さ、朔夜!?」

「体洗わないなら、今すぐでもいいよな?」



え? 何が?



“?”マークを浮かべて目をぱちくりさせる私。


そんな私を朔夜はベッドルームに運んで行った。