「今は無理だ……でも、策がないわけじゃないさ」

暗い瞳に怒りを宿し、十六夜は目を見開いて異常な笑顔を作る。


「待っててよ、望ぃ~。出来るだけ早く準備をして、そいつを殺してあげるからぁ」



気持ち悪い……。

本当に吐き気が込み上げてきた。



十六夜はそのまま高笑いしながらいずこかへと消えていく。


私は、恐怖と気持ち悪さで震えてが止まらなかった。

朔夜の体温だけが拠り所とでもいうように、彼の胸にしがみついている。



「……馬鹿が。何も考えず突っ込んで行くからだ。いつも俺が助けてやれるわけじゃないんだぞ?」