「あいつの姿を見せれば来てくれると思ったよ。でも、あの朔夜という男は邪魔だから、君だけ来てくれるように催眠術をかけたんだ」

十六夜の言葉にそういえばと思う。


「あの男はどうしたの?」

「どうしただろう……死んでるかもね。かなり無理させたから」

フフフ、と楽しそうに笑う十六夜。

笑いながら、死という言葉を簡単に使う。



怖い。

狂ってる……。



「何でそんな顔をするのかな? 君をおびき寄せる事が出来ればそれで良かったんだ。あんなやつのその後なんて知らないよ」


本当にどうでもいい様な口調。

私は納得出来なかったけど、他にも聞きたい事があるから男のことはそれ以上聞かなかった。



そう、それよりも聞きたい事。

ずっと疑問だった。