突然背後から声が聞こえた。

忘れたくても忘れられなかった声。


瞬間的にゾワッと鳥肌が立ち、私は振り返りながら距離をとった。



赤みがかった茶髪。

白い肌。

琥珀色の瞳。

そして、つねに薄く微笑みの形をとる唇。


全てが、記憶と一致する。



十六夜……両親の仇……。