眉間にしわを寄せている朔夜は本当に苦しそうだった。



こんな状態で良くここまで平気に運転してこれたものだわ。

普通の人間ならその場ですぐ動けなくなるのに。


やっぱり吸血鬼と人間だとこういうところも違うんだな。



そんなことを考えながら私は朔夜を見つめていた。



「朔夜……」

こんなときにどうかと思うけど、眉間にしわを寄せる朔夜は色っぽかった。


「うっ……」

形の良い唇から洩れるうめき声も熱を帯びているように聞こえてしまう。