失恋ラブストーリー



 「女の子を振っといて、早々ナンパ?」



 夕里は、様々に調子が変わる男に
 不機嫌気味に聞いた。


 「てか、どうして浮気とか知ってるの?
  どこから聞いてたの?
  てゆーか、そもそも誰?」


 それは、"好きなのに別れた"
 そんな男と自分とに共通する言葉が気になったからかもしれない。



 「んーと……、
  君がここに来て、不安そうに誰かを待っていると、
  10分後ぐらいに電話がかかってきてけど
  君はそれを軽く受け流して、
  やってきた男に気づくと電話を一方的に切って……」

 「あぁもういい」



 男の今度の調子には嫌気をさしたように
 夕里は男の声をさえぎった。


 

 「そう?
  あっ、あともう1つ。
  俺は陣内隼人」