そのうち誰もあたしを遊びに誘わなくなった。



気付いたら、友達が誰ひとりいなくなっていた。




それでもあたしは母に逆らわず、一生懸命期待に応えようとした。



“自分の身になるものは自分が努力しなければ得られない”


“若いうちの努力は、必ず自分の財産になる”




その言葉だけを信じて。


そんな母と2人きりの生活は、息が詰まることもあった。





それと対照的に温和で優しい父。


だから年に数回父が帰って来る日が、あたしは嬉しくてたまらなかった。