「……あのな。」 『……。』 慎重に言葉を選んでいく先生を、黙って震えたように見るあたし。 別にあたしは、襲われかけただけで震えるような、ヤワじゃない。 慣れているって言ったら大げさだけど、免疫ついてるし。 ただ、健全な女の子は怖がるし、震えるし。 涙を貯めた方がピュアで可愛いから。だから、しなを作っておく。 「…泣いて、いたから。」 思わず、作っていた演技が素に戻って。 無意識に、間が空いたような顔をしていた。