「そんな…。」 結奈の、震える声が聞こえる。 その直後の、すすり泣く声も。 あたしは、どうしたらいいかわからなくて。 あたしが何かを言っていいような問題じゃない気がして。 壁に背をくっつけ、会話の様子を覗き見することしかできなかった。 「結奈、大丈夫?」 「元気出して。」 結奈に駆け寄る友達と、泣き崩れる結奈。 そして、必死に胸の痛みを抑えるあたし。 痛い。イタい。 …心が、イタい。