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「林くんって、愛奈のことが好きなんだって。」
思わず、教室に踏み入れようとした足が止まった。
視界に映るのは、幼いあたし。
あたしが、面をくらったように立ちすくんでる。
「えっ…。」
当時のあたしは、何も知らなかった。
林くんなんて正直、友達にさえ満たない関係だと思ってたし、
業務連絡くらいしか会話したことないから、どんな人なのかもわからない。
―…ただ、ひとつ。
ひとつだけ、わかる。
林くんは、当時の親友結奈の。…結奈の、大好きな人だった。
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