ダメだ、この人。
あたしの思うように、動いてくれない。


利用、できない。


いくら“しな”を作って、可愛い生徒ぶっても、特別扱いしてくれないし。

他の生徒と、同じ扱いだし。



―…この人、むかつく。



『ありがとうございます~!』



…もう、いいや。

この人にはある程度の媚びを売るだけで、深く関わるのをやめよう。



使えないなら、相性が悪いのなら、なるべく関わらなきゃいい。


深い関係にならずに、“良い生徒”で留めておけばいい。



あたしはため息をつきたいのをこらえて、必死に先生に微笑みかけたのだった。