あたしは、聞いて欲しいの。


“何があった?”って。
“辛かったな”って。


あたしを、可愛がってほしい。



確かに、先生のやってることは正しいし、心を掴める生徒はいるかもしれないけど。



―…完璧なあたしの世界には、そんな優しさいらない。




「ただ、言いたくなったら、いつでも俺を頼っていいから。…な?」



そう言ってニコリと微笑む先生に、あたしは作り笑顔を作るだけで精一杯。


思わず出そうになった“素”を慌てて封じ込める。