キライ。彼みたいな人。 あたしの思うように、動いてくれなくて。 言動が、読み取れなくて。 あたしの思い通りにならない人なんか、大嫌いだ。 ―…あたし、尾崎センセーが大嫌い。 「…なーんてね。」 先生が、フッ、と。 息を吹き出すように、笑った。 同時にマグカップを手に取り、紅茶を口に含んで。 喉仏をゴクンと、鳴らしてみせる。 『……は?』 「人間誰だって、言いたくないこと、一つや二つあるもんな。 俺は、無理に聞き出そうとは思わねーよ。」 …だから、別にそんなの望んでないし。