―…“なんで、何も言わないの?” 言おうとして、止めた。 「…ん?どした?」 首を傾けて、あたしを映す先生の目が、あまりにも綺麗で。 一点さえ、曇りを持つことを知らなくて。 『…先生は、』 あまりにも無垢だから、汚れてるあたしが、その目に映ることを恐れてしまう。 『…なんで、何も聞かないんですか?』 だって、普通気になるでしょ? 可愛い生徒が家に帰りたくないだなんて、教師的には大問題じゃん。 ―…嫌でも、気にせざる終えないじゃん。