『先生、こんにちは。』 慌てて、笑顔を作った。 同時に首を傾けてみせて、それから先生に駆け寄って見せる。 今は笑いたい気分ではないんだけど。 笑顔のオート機能がついてるあたしは、やっぱり完璧。 「おぉ、汐留。こんにちは。」 そんなあたしに、先生も右手を軽くあげて。 ニカッていう効果音が出そうなくらいに、白い歯を見せてくれる。 先生は、シンプルな黒いダウンコートに、ダボダボなミッキーのパーカー。 下はスウェットみたいな素材のジャージで、ラフな格好をしていた。