オカアサンの質問には応えず、オカアサンの横を無言で通り抜けた。



応える必要もないと思ったし、応えたくもなかったから。



……でも。



「…っ、愛奈!」



あたしの左腕を掴んだオカアサンの手が、それをさせなかったから。



左腕に感じる、温かい温もりが気持ち悪くて。

その温もりがオカアサンのものだと思うと、とてつもなく嫌なものに感じて。



あたしはその手を、力強く振り払ったんだ。



『…触んないでよ!』