その瞬間に一斉に突き刺さる、新しいクラスメートからの視線。 それから逃げるように、恥ずかしそうに俯きながら教卓に向かう。 もちろん、アドリブ。 堂々と歩くより、恥ずかしそうにした方が可愛いに決まってるもん。 『えっと、はじめまして。 今日からこのクラスで一緒に勉強させてもらう、汐留愛奈です。』 ―…完璧、だった。 あたしを見て『可愛い』とか『美人』って言ってくれるクラスメートに、少なからずこの時は満足していたの。