「フハッ、ナルシストかよ!」 そう言って、冴花は堪え切れなくなったように、クスクス笑って。 それにつられるように、私もクスクス笑ってしまう。 楽しい。 冴花と冗談言い合うの、楽しい。 「…あ、そういえばいくんでしょ、愛奈。」 『ん??』 「アイツに、会いにいくんでしょ。」 冴花がそう言って、思い出したかのように私を見てくる。 冴花がいう「アイツ」を、私は固有名詞を聞かなくたって、一瞬で誰だかわかる。 行くにきまってる。 私は今日、先生に会いにきたんだ。