あの街に着くまで、あともうちょっと。 ーーーー冴花。 冴花が、駅まで迎えに出てくれるらしい。 「まもなく◯◯駅〜。」 アナウンスが、私が降りる駅の名前を告げる。 この街は、1年しか過ごさなかったにもかかわらず、思い出がいっぱいだ。 電車から見える光景がどんどん見覚えがあるものになって、あの頃のことを思い出すと、胸がギュッとなる。 早く、みんなに会いたい。 「お待たせいたしました。◯◯駅に到着です。お忘れ物のないようご注意してお降りください。」 とうとう、この街に帰ってきた。