この街に戻ってくるのは、いつぶりだろう。


やけに冬の始まりが早くて、やけに春の訪れが遅いこの街。
高校2年生の夏に東京に戻った私がこの街を訪れるのはだいたい…、3年ぶりくらいかな。




〜〜♪



ピロピロリン、っと。


スマートフォンが鳴って、誰かからメッセージがきたことを教えてくれる。





結局、私がこの街で過ごしたのは、1年もないくらいだった。

夏休みが始まる直前、もう一度お父さんと過ごすことになった私たちは、東京に戻ることになったのだ。





さらり、と。
慣れた手つきでメッセージを開くと、浮かぶ名前は懐かしいけれども、頻繁に連絡を取っていたあの人で。