ずっと、見ないフリをしていたの。 本当は私だって、誰かを大切にしたかった。 あらゆることに誠実な人間で、ありたかった。 でも、それができない。 笑われるのが怖いから。それを返してもらえなかった時の恐怖を、知っているから。 私、本当はわかってるよ。 『こんな自分、消してしまいたい。』 ー…人を大切にできる人は、とても強い人だ。 「…愛奈、落ち着いて。 落ち着いて、しっかり聞いてほしい。」 ずっと黙っていた先生が、口を開いた。