泣き止まないと。
私はそんなに弱い子じゃない。
泣きやまなきゃ。
このままだとどんどん、完璧な私が崩れ堕ちていってしまう。
「…ねえ、愛奈。」
『……。』
「私、友達だから、リューガのこと好きなら教えてほしかったよ。」
ーーー…だめだ。
なんで「友達」という言葉が、私の胸をボアっと熱くして。
なんとも言えないような泣きたい気持ちになるんだろう。
『ごめんなさい…。』
ごめんなさい。
色々な冴花に対する申し訳なさが、胸の中をぐるぐるぐるぐる溢れてくる。
違うよ。冴花。
教えるも何も、私はリューガのこと好きでもなんでもなかったんだよ。
ただ、自分を引きたたせてくれるから。自分のためだけに、リューガがほしかった。
私はこんなにも、嫌なやつなの。
冴花、ごめんなさい。


