…あ、わかったかもしれない。
あたしがリューガに振られたあとの、この状況。
冴花は確かに、リューガとあたしが話してるとき、機嫌が悪そうだった。
…そっか、あたし、こんな簡単なとこで失敗しちゃったんだ。
ちょっと立ち止まって考えれば、わかることだったのに。
そもそもあたしの完璧な世界は、リューガをターゲットにした時から終わりを迎えていたんだ。
「…愛奈、あんた、リューガに告白したんだって?」
冴花が、口を開いた。
コツン、コツンと、足をゆっくりあたしに進めてきて。
ヒールを履いてるわけじゃないのに、ヒールを履いてるような威厳であたしに近づいてくる。
『……。』


