自分の頭の中で、どんどんと血が上っていくのが感じる。
『やり直すってなに?』
腹の中の嫌な部分が、全て吐き出されたような声がでた。
「…愛奈。」
オカアサンが困ったように私の名前を呼んで。
そんなオカアサンの声に、私の気持ちは止まらなくなる。
バカじゃないの、って思う。
今更そんなこと言われても意味がわからない。
お父さんとやり直すってなに?
お父さんと一緒に暮らすってなに?
私にとってお父さんは、最初からいないようなものだった。
『意味わかんないんだけど。』
思ったことが、そのまま声となって。
お父さんとやり直すって、そもそも壊れる前の状態を私は知らない。
オカアサンとお父さんは、いつもそうだ。
私はオカアサンとお父さんの子供なのに。
いつも私の知らないところで、勝手に大事なことを決めてしまう。