いつもだったら顔色を伺うようなオカアサンに、イライラするところだけど。
先生の家に行って毒素を抜かれたようになった私は、睨むわけでもなくジッとオカアサンを見つめる。
オカアサンはまた、困ったように笑った。
「愛奈にね、話しておきたいことがあって。」
ーーーー話?
思わず、無表情のままオカアサンをジーっと見つめてしまう。
話って、なに?
オカアサンは、時折突拍子なことを言う。
オカアサンのおどおどしつつも、私をまっすぐみて逸らさない視線は、
……また突拍子なことを言うんじゃないか、って。
そう感じざるを得ないような視線だった。
「オカアサンね、
ーーまた、お父さんとやり直そうと思って。」
カーッ、っと。
その言葉は冷静だった私の心を、熱くさせるのには充分な言葉だった。