先生は、笑っていた。
目を細めて、白い歯を見せて。
そして、あたしに近づいてきて、あたしの髪をワシャワシャにする。
ー…なんなんだ、この感覚。
心臓が、飛び出してしまいそう。
『…っ、やめてよ!』
居心地が悪くなったあたしは、先生のその手を振り払う。
それでも先生は笑っているから、なんだか負けたような気がして悔しい。
…ムカつく。
あたしの反応をみて、楽しんで。
…ムカつくんだよ。
ムカつくくらい、心がスッキリしている。
『これ、セットすんの大変なんだから。』
こだわりのシルエットを持つ、内巻きボブ。
これをセットするのに、朝何分かけてると思ってんの。


