『あたし、リューガにふられちゃったの。』
「……。」
『愛奈のこと友達にしか見れないって。』
胸が塞がるような感覚だった。
どこか自嘲的になっていて。
今のあたしにはもう何も残っていないような、そんな感覚。
先生も何も言わずに、だけども真っ直ぐあたしを見ている。
『でもね、失恋の痛みはなかったの。』
「……。」
『だって、リューガのこと本気で好きなわけじゃなかったし。
…あたしは、こういう人間だから。』
ずるくてずるくて、どうしようもなくて。
形だけを取り繕って。
『ばっかみたい。今更こんなことに気づくなんて。
ーー人を愛せない人間が、誰かに愛してもらえるわけないのにね。』