知っていたつもりだったんだ、あたし。
自分が愛される方法も、他人が望んでいる“アイナ”、も。


だからその愛奈を演じていれば、誰からも好かれると思っていた。愛してもらえると思っていた。

でも違うじゃん。結局ダメじゃん。
完璧な世界の“アイナ”も愛してもらえなかったじゃん。



ー…わからないよ。

一体どうしたら、あたしは誰かに必要としてもらえるの??



『…っうう…。』



涙が、零れた。

泣きたくなかった。
だけどとまんない。


次から次へと、どんどん溢れてくる。