今回は、そうはいかないの。 リューガは、他の男と違う。 リューガだけは、簡単にあたしになびかない。 ―…くやしい。 今まで、あたしに惚れない男なんていなかったのに。 完璧なあたしにかかれば、手に入らないものなんかなかったのに。 ……どうして? リューガといると、完璧な世界が少しだけ、崩される。 揺るがなかった自信が、歪んでいく気がした。 そんなの、嫌。 絶対に、リューガをものにしてみせる。 あたしの完璧な世界で、手に入らないものはないはずだから。