先生は、あの時のあたし“も”好きだと言った。 あの時のあたしというのは、醜くて、不格好で、誰からも望まれない ―…あたしが大嫌いな、あたし。 そんなあたしを好きだと言ってくれたことに、まず驚いて。 自分が耳で感じた言葉が、全て夢のように感じて。 苦しいくらいに、胸の奥が絡まったように、言葉が出なくなったの。 そんな自分が、信じられない。 あたしは、あの瞬間に初めて“あたし”を認められたんだ。