本当は、

…本当に、リューガのことを好きになれたら、あたしは幸せだったんだと思う。


『……。』



爽やかな、風。

終わりなんかないんじゃないかってくらいの空の青が、あたしの視界を埋める。



風はそのままあたしの前を通り過ぎ、あたしの髪を踊るように掬った。




“今の愛奈 も 大好きだよ”




ずっと、頭にこだまするの。


その言葉を聞いてから、もう既に一晩超えたのに。

今もまだ先生が目の前で喋ってるんじゃないかってくらい、何度も何度も頭の中でリピートする。