あたしが会話を強制終了させちゃったから。 お母さんが困ったように、控えめに、あたしの後を黙ってついてくる。 あたしの足跡をお母さんによって踏まれるのが、とてつもなく、嫌だった。 『……。』 ―…ふわふわ ふわふわ 粉雪が、降り積もる。 本当は、わかっていたの。 確実に降り積もった粉雪だって、いつか溶けてしまうことくらい。 ** 「これから、お願いします。」 そう言って、頭を下げて。 ご近所さんに挨拶して回るお母さんの隣で、あたしはゆっくり頭を下げた。