『センセーは何も知らないでしょ!?』 理性が保てなくなっていた。 良い顔しなきゃ。 良い生徒でいなきゃ。 そう思ったけど、この場面を見られたってことはもう、今更良い子ぶっても手遅れなわけで。 投げやりになったあたしの気持ちは、心のブレーキを緩くさせる。 『センセーも、オカアサンも。…みんなみんな ――だいっきらい!』 あたしはセンセーが肩に添えていた手を、振り払ったのだった。