「お母さんに、そんなこと言っちゃダメだぞ?」

『……。』



何も知らないくせに、わかったようなこと言わないで。



困ったような微笑みを見せながら、センセーはあたしに近づいてきて。

オカアサンを睨んだままのあたしの肩に手を添え、スーッと、あたしとオカアサンに距離を保たせる。



『なによ…。』



どこから見てたか、知らないけど。
確かにこの状況だけ見たら、あたしが悪く見えるかもしれないけど。



センセーが見たのなんか、たかがあたしの家庭事情のワンシーンじゃん。

あたしだけを宥めて気を落ち着かせようとするセンセーが、うざい。