『うるっさいっ!』 オカアサンに噛みつくように言葉を発しながら、玄関から飛び出す。 雪に沈んだ、右足。 それはなかなか抜き取れなくて、そんな些細なことでさえイライラが積もる。 「愛奈、待ちなさいっ!」 …なんで、追いかけてくるのよ。 いつもみたいに、何食わぬ顔であたしの後ろ姿を眺めてればいいじゃん。 どうせ、自分の非を認めるつもりはないんでしょ? だったら、話し合うことなんかない。 追いかけて来られるだけ、迷惑だ。